Pixhawk
概要
- Pixhawkはスイス連邦大学チューリッヒ校(チューリッヒ工科大学: ETH Zurich)発のプロジェクトです
- 学生のLorenz MeierとMikeSによって始められ、DIYDronesから発展した3D Roboticsがオリジナルハードウェアの製造パートナーでした
- ハードウェアもオープンソースであるため、多様なクローン・バリエーション・改良版が存在します
- PX4-FMUv1&PX4-IOが祖先です
- Pixhawkは、PX4-FMUとPX4-IOを1つのボードにまとめたもので、型番もPX4-FMUv2 (FMU = Flight Management Unit)です
- AR.Drone専用のPX4IOとして、PX4IOARも存在します
- 168MHz 32bit STM32F427 Cortex M4 プロセッサ、256KB RAM
- Pixhawkは、ヒロセのDF13コネクターを採用していますが、これはもともとサーフェースマウント用のコネクターで、頻繁に抜き差しすることは想定されておらず、DroneCode系FCは取り扱いの楽なJST GHに移行中です
入手方法
オリジナルの製造元である3DRはPixhawkの製造から撤退していますが、もともと3DRの創設メンバーで製造を担当していたJordi Munoz BがMayan Roboticsを立ち上げ、オリジナルのPixhawkを製造していたのと同じ工場で製造を再開しました。
日本で買う場合は、ジャパンドローンズで正規品を取り扱っています。
中国のショッピングサイトやeBayでコピー品が多く出回っていますが、品質が低いことが多いので、mRoboticsの正規品か、高品質クローンを強くお勧めします。
バス・コネクター
I/Oポート
- UART(シリアル) x 5
- PWM x 14
- 8ポートは、フェールセーフコプロセッサー&マニュアルオーバーライド付き
- 6 aux(インプット兼用)
- RC-In (SBus, PPM-SUM)
- SBus Out
- ADC x 2 (3.3V & 6.6V)
- パワーモジュールインプット
- ブザー
- セーフティースイッチ
- USB
- MicroSD
バス
- I2C (Inter-Integrated Circuit)
- 短距離、ボード間
- マルチマスター、マルチスレーブ
- 2-wireシリアルバス (SDA, SCL)
- アドレス
- SPI (Serial Peripheral Interface)
- 高速、短距離
- マスタースレーブ
- 4-wireシリアルバス (MOSI, MISO)
- スレーブセレクト (SS)
- CAN (Controller Area Network)
- 車載用
- マルチマスター
- 2-wireシリアルバス
- アドレス
コネクター
- Pixhawk、各種クローン
- ヒロセDF13
- PixRacer、PXFmini
- JST GH
- PixHack
- JST GH(ピンアウト非互換)
シリアルポート
- Pixhawkには物理シリアルポートが4、論理ポートが5つあります
- Serial 4/5と表示のあるポートが2台目のGPSで埋まっていなければ、ここからテレメトリー(MAVLink)を出力可能です(4と5は同じ物理ポートに集約。port 5はデバッグコンソール専用)
- APM側の設定は、SERIAL4_PROTOCOLパラメーター(MAVLink = 1)とSERIAL4_BAUDをセットすればOKです
拡張Bus
- 外部GPSや外気速度センサー等は、現時点ではI2C、SPI、UARTバスを使ったモジュールが多いです
- CANバス対応の製品は一部のメーカーがESCやGPSを作っていますが、あまり多くありません
- Pixhawk、PXF、その他クローンは上記バス規格に対応しています
センサー
- 新しいバージョンのPixhawkや、クローンでは加速度センサー、ジャイロ、コンパス等が多重化され、それぞれ複数のユニットを搭載する傾向にあります
RC入出力
- Pixhawkの受信機からの入力は1つです(RCと記されているポートがSPPMとSBUS入力兼用)
- PPM-SUMのチャンネル数は8chまでです
- Pixhawkには、PPM/SBUS入力とは別に、RSSI入力/SBUS出力兼用ポートもありますが(SBUSと記されているポート)、SBUSアウトは新しいファームウェアのみが対応しています
- 受信機のFailsafeは、Firmware側で値を設定して検出可能です。高度や距離等によって、RTL、そのまま着陸等、挙動を指定可能です
電源
- Pixhawkの入力電圧は、パワーモジュール、サーボーレール、USB電源、全て 4.1V ~ 5.7Vです
- 優先度は: Power Module > Servo Rail > USB の順です
- Power Moduleの入力電圧が上記範囲を超えると、Servo Railの入力をチェックし、そちらが定格以内であればServo Railに切り替わります
- Servo Railも定格外の電圧であれば、次にUSBをチェックし、USBも定格外であれば(通常フライト中はUSBなしなので0.0Vで範囲外判定)リブートし、ハードウェアのイニシャライズ時に各入力電圧が定格内になければ起動しない、という挙動になっています
- なお、定格外では正常に動作しませんが、回路自体を損傷することなく耐えられる電圧範囲は動作電圧よりも高く、パワーモジュールとサーボーレールが 0V ~ 20V、USBが 0V ~ 6Vです
- サーボーレールはハイパワーサーボやデジタルサーボにも対応しています。ただし、ハイパワーサーボの場合はサーボレールに高電圧が加わり、デジタルサーボの場合はオーバーシュートが酷いため、どちらの場合もサーボレールをバックアップ電源としては使用不可です
センサー
Pixhawk内臓センサー
- ジャイロ x 2
- 加速度センサー x 2
- コンパス x 1
- 圧力計(バロメーター + 温度計) x 1
トラブルシューティング
- 特定のUSB 3.0チップとの相性が悪いです。PC側に2.0のポートがあれば、そちらに接続することで解決する場合があります。