DYS
DYS BLG3SN概要
ブラシレスモーターで定評のある香港のDYS社の3軸Gimbal組み立てキット。DYSのサイトにはSony NEX用と書いてあるが、コンパクトカメラ全般に対応。今回はこれにBlackmagic Micro Cinema Cameraを搭載。
製品概要
http://www.dys.hk/ProductShow.asp?ID=59
ちなみに、中国の通販サイトでBasecam (AlexMos) SimpleBGC 32bitボード、IMUセンサー2個、BGM4108-130 Gimbal専用ブラシレスモーター3個込みで168ドル。
キャパシティ
サイトには特にカメラのサイズや重さの目安等はないが、Sony NEX-5Rがバッテリー込みで466gなのでこれを基準として考える。
- BMMCC本体は299g。
- Olympusのパンケーキ電動ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZが98gなので、トータル397g。NDフィルター込みで410g。
- Olympusのロングバレル電動ズーム M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZが210gなのでこれと組み合わせると、トータル509g。NDフィルター込みで525g。
なので、どちらのレンズも許容範囲。ただし、長いレンズを装着する場合は、カメラマウントの奥行きがないので、チルトとロール軸を入れ替えて、カメラを横向きにマウントする必要がある。
組み立て
フレーム
中国製なので説明書なんてものは存在するはずもなく(笑)。製品サイトにあるExploded Viewという展開図を見ながら、適当に組み上げる。
http://www.dys.hk/ProductShow.asp?ID=59
アルミ製のアームジョイントをスライドさせてバランス調整する形式なので、カメラの重量、サイズ、可動範囲に合わせてなるべくコンパクトに収まるように調整。
モーターマウント用のネジは大量に余るので、好みのヘッドのビスを選択。
配線
BGM4108-130はホローシャフトなので、ケーブルが邪魔にならないよう、モーターシャフトの中を通しながら組み上げ。
http://www.dys.hk/ProductShow.asp?ID=19
ただし、最後のチルト軸はフレーム側の穴が塞がっているので、センサーケーブルはアームの内側からスラックをつけて配線。 (写真にあるBlackmagic制御用のケーブルは、離陸前からフルオートで録画しっぱなしでFPVも無しであれば不要、ただし、BMMCCはバッテリーをつけるとGimbalの奥行きが足りなくなるので、このエクスパンジョンコネクタを利用して外部電源化したほうがGimbalの負荷も減り一石二鳥)
Yaw軸はこんな感じ。
上から見た図。
機体との取り外しが楽なように電源ケーブルを延長してJSTコネクターをトッププレート上に引き出し。S.BUS等でPan、Tiltを操作するのであれば、サーボリードも通しておく。
カメラマウント
カメラマウントと、各アーム重心調整用の1/4インチネジはかなりユルユルなのでシールテープ(通称バルカーテープ)を巻いて緩み止めに。
この1/4インチネジは六角レンチが挿せる止めネジ(イモネジ、ホーローセットとも言う)になっているので、共回りせずにねじ込む量を調整可能。
カメラ取り付けネジは、カメラの脱着を楽にするため、ネジとつまみが一体型の指で回せるものにするか、クイックリリースに交換した方が良いかも。
モーター配線
シャフトにリード線を通してフレーム全体が組み上がってから、モーターにリード線を半田付け。ソフトウェア側で正転、反転設定可能なので、リードの順番は気にしなくて良い。
リード線は各軸とコントローラーとの距離を考えてか、かなり長め。普通に組むとかなり余る。すっきりさせたい場合は短縮すべし。
コントローラー
Basecam (AlexMos) SimpleBGC 32bit付属。DYSの正規ライセンス品。
SimpleBGCのケースは付属していないので別途アルミケースを発注。
センサー用のケースも付いて中国通販サイトで15.50ドル。
http://www.iflight-rc.com/alexmos-32bit-bgc-protective-case.html
他にDYS製の削りだしもある。
http://www.dys.hk/ProductShow.asp?ID=104
センサー
センサーは写真左側のボード(右下のADDR
抵抗が付いている方)をカメラと同じ軸に両面テープ等で取り付け。
もう一つはYaw軸の上(機体側)、Yaw軸の下(Roll軸)、どちらに取り付けてもよいが、それぞれメリットデメリットがある。
- Yaw軸の上は精度があがるが、長時間使っていると誤差が蓄積される(ドリフト)。
- Yaw軸の下のほうが精度は下がるが、安定させやすい。
NOTE: 各アームの軸とセンサーの軸が必ず一致するように注意して取り付けること。センサーの向きはソフトウェア側で設定できるが、軸の方向は必ず一致している必要あり。
Joystick
地上でPanとTiltを使うためのジョイスティック。11.80ドル。
http://rctimer.com/product-1142.html
たぶんこれと同等品。
http://www.dys.hk/ProductShow.asp?ID=98
Joystick配線
Joystickにもマニュアルはないので、筐体裏に書かれている配線図と、Basecamの接続図をにらめっこしながら接続。
http://www.basecamelectronics.com/simplebgc32bit/ http://www.basecamelectronics.com/files/v3/SimpleBGC_32bit_Connection_Diagram.pdf
完成
マウントのネジは62.5mm間隔。
60/10mmレールを使っている場合は、こちらにマウントアダプターの3Dプリンター用データあり。
http://www.thingiverse.com/thing:803133
グリップ
地上テスト用に塩ビパイプとアルミ板で簡易グリップ作成。材料費数百円なり。
一眼用のアクセサリーマウンティングブラケットをつけて、モニター、ジョイスティック、バッテリーを載せる場所を確保。
ネジ4本で取り外し可能で、コネクターもマウントブラケットの上に出ているので、機体へ載せ替えも楽々。
SimpleBGC設定
SimpleBGC 32bit製品情報、マニュアル等
http://www.basecamelectronics.com/simplebgc32bit/
設定アプリ
http://www.basecamelectronics.com/downloads/
シリアルドライバー
http://www.silabs.com/products/mcu/pages/usbtouartbridgevcpdrivers.aspx
PID設定
- PID Autotuning. BaseCam SimpleBGC 32bit, firmware 2.42 by Alex Moskalenko
- PID tuning for Alex Mos Gimbals - Yuri Method (long)
- DYS 3-Axis Gimbal w/ Sony NEX 5 and Tarot Hexacopter First Look
- How to: Balance a mid size Gimbal
ハードウェアリセット
- メニューボタンかボタン付きのジョイスティックを繋いでいる必要あり
- メニューボタンを8回押す: COMポートをSimpleBGCのシリアルプロトコルのみにリセット
- メニューボタンを12回押す: シリアルのBaud Rateを115200にリセット。その他のCOMポート設定もすべてデフォルトにリセット
- メニューボタン9回押して、10回目を長押し: 全設定リセット(ファクトリーリセット)