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Blackmagic Micro Cinema Camera

BMMCC概要

BlackMagic Micro Cinema Camera

Blackmagic社が主にドローン空撮市場をターゲットに開発した小型のプロ用Micro Four Thirdsレンズ対応ビデオカメラ。写真は機載用Gimbalに載せ、電動ズームパンケーキレンズを装着した状態。

https://www.blackmagicdesign.com/products/blackmagicmicrocinemacamera

背景

これまで、ドローンの空撮では、コンパクトデジカメやデジタル一眼などの静止画用カメラの動画撮影機能を使うか、REDなどの大型のビデオカメラを搭載することが多かったが、静止画用カメラでは動画撮影機能が弱く、また、REDなどの業務用カメラは重すぎて巨大な機体が必要だった。

そこで登場したのがこのBMMCC。これ以前にもBlackmagicでは、Blackmagic Pocket Cinema Camera(通称BMPCC)という小型のカメラや、Blackmagic Cinema Camera (BMCC)などもラインアップしていたが、今回ドローン専用と割り切って、液晶パネルも省いた超小型カメラを投入してきた。同じ筐体サイズで4K対応のBlackmagic Micro Studio Camera 4K (BMMSC4K)もある。

ドローンでの空撮では、FPVで映像を飛ばして地上側で映像をモニタリングしながら撮影するので、機体側の液晶はデッドウェイトでしかなく、これを省いた筐体は非常に合理的なデザインである。ちなみにドローン向けのアクションカメラにおいても、液晶付きで無駄に大きく重い上、空気抵抗も無視できないGoProよりも、FPV用の映像出力と録画機能のみに絞った小型軽量カメラの方が人気である。

機能

RAW、Apple ProResの録画に対応し、プロの撮影現場に簡単に組み込めるように、レファレンス入力、LANC、B4レンズコントロール、PTZコントロールなどの業務用機器の規格に対応。ドローン用途ではS.BUSに対応しているので、受信機からケーブル1本で絞り、ISO、フォーカス、ズームも含め、ほぼすべてのパラメーターを遠隔制御することができる柔軟性がウリとなっている。

用途

ドローン以外の一般的な地上用途でも、オンボードカメラとしてだけでなく、リグを組んだり、スイッチャーとつなげたり、定点カメラや手持ちのサブカメラとしても使い勝手が良い。

記録メディア

SDカードは、必ずSandiskのExtreme Pro UHS-I (90MB/s write, 95MB/s read)かUHS-IIを使うこと。他社のU3規格カードでは、同じ転送速度の表記があってもコマ落ちすることが多い。

なお、4K版はSDカードスロットがなく代わりSDI入出力がある。これは現行のSDカード規格の転送速度では、4KのRAWは記録できないため。なので4K版では必ず外部レコーダーも機体側に搭載する必要がある。

価格

これだけの機能が揃って値段は業務用カメラとしては破格の$995。

エクスパンジョンコネクター

カメラに付属するワイアハーネスはGimbalに載せるには不要なケーブルが多く重いので、必要最低限のケーブルを自作。 写真上が純正のハーネス。下が自作したケーブル。写真は普通の4芯リボンケーブルだが、後にPTFE皮膜の26AWGを縒った自作ツイストペアケーブルに差し替え済み。

Wireharness

DSub 15ピンコネクター

エクスパンジョンポートはいわゆるD-Sub 15ピンコネクター。別名DB-HD15、DE-15 high densityとも言う。電子部品屋で普通に売ってるので、コネクターだけのなるべく軽いものを選択。

https://360designs.io/where-to-buy-a-db-hd15-connector/

DSub 15 Connector

今回使うのは外部電源12Vと、S.BUSのみ。このページのピンアウトを参考に、1番と2番ピンにS.BUS、6番と7番ピンに電源をつなぐ。Groundピンはたくさんあるので、7番ピンへの半田付けが難しければ、6番と11番でも可能。

DSub 15 Pinout

ヒシチューブ(Heatshrink Tube)で3重に被覆。

DSub 15 Headshrink Wrap

電源コネクター

電源コネクター取り付け。BlackmagicのACアダプターと機器側の電源ポートは、外径5.5mm、内径2.5mmのジャックなので、それに合わせておくとなにかと便利。

Power Connector

S.BUSコネクター

S.BUS用の3ピンサーボコネクタピンを圧着。

SBus Crimp

コネクターにピンを差し込んで完成。

SBus Complet

軽量ワイアハーネス完成

Wire Harness

S.BUS分岐

GimbalコントローラーへのS.BUS分岐用ケーブルを追加。

Wireharness

遠隔制御設定

  • 送信機側は、Gimbalに3チャンネル(Pan、Tilt、Rotate)、BMMCCに7チャンネル(フォーカス、ズーム、絞り、ISO、シャッターアングル、ホワイトバランス、録画開始・停止)を割り当てておき、S.BUSは S.BUS2の双方向通信ではなく、一方通行で使う。
  • BMMCC側は設定メニューから対応するCHに各機能をアサイン。
  • フォーカス、絞りはスティック、スライダー、ボリュームノブにアサインしておくと、PWMの範囲に対応して0~100の範囲でプロポーショナルに操作可能。
  • ズームはスティック位置にリニアに反応するクローズドループ式と、ズームスピードを制御するオープンループ式をBMMCC側で選択可能。
  • シャッターアングル、ISO、ホワイトバランスは、送信機の3 wayスイッチに割り当てて、値をMIN/MAXではなくセンターから上下Max値に変化するように設定し、スイッチをセンター->上、またはセンター->下にトグルすることで操作。Max/Min値を越えるとラップアラウンドするので最悪2 wayスイッチでも代用可。
  • 録画ON/OFFは、2 wayスイッチにアサインし、こちらもノーマリーセンターからMaxに値が変化するように設定。